名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1454号 判決 1950年2月22日
被告人
小島重代
主文
原判決を破棄する。
被告人を懲役三月に処する。
押收に係る布製財布一個(証第一号)及び現金十円(証第二号)はこれを沒收する。
理由
更に職権を以て調査するに原審は被害者不明の賍品である証第一、二号を被害者に還付する旨の言渡をしているが、かかる言渡は執行不能であるから被害者不明の賍品は犯人以外に属さないものとしてこれを沒收すべきものであり(大正四年五月二十二日大審院判決、同院判決録第二一輯六五一頁参照)この点の原審の処置は法令の適用を誤つた違法があり右の違法は判決に影響を及ぼすべきものであるから原判決は同法第三百八十條第三百九十七條によつても破棄せねばならない。